【食品編】アメリカに送れる・送れない食料品を整理!
「取引先が決まったので、まず数箱送ってみたい」
「越境ECで、少しずつ売り始めたい」
「コンテナ単位で、継続的に出荷したい」
アメリカへ食品を送る理由も、1回に送る量も、事業者によってまったく違います。
ただ、どの規模でも調べ始めると同じところで止まります。
FDA(食品医薬品局)・USDA(米国農務省)・TTB(酒税貿易局)といった聞き慣れない機関名や、施設登録・事前通知といった手続き名が次々と出てきて、自社の商品にどれが関係するのか分からなくなるのではないでしょうか。
機関名を一つずつ覚える前に確認したいのは、自社の商品が「そのまま送れる」「条件付きで送れる」「送れない」のどれに当たるかという点です。
ここが分かれば、確認すべき制度は自然に絞られます。
この記事では、まず商品タイプの見分け方をお伝えしたうえで、当社の本業である発送実務(書類・輸送方法・料金)を中心に解説します。
- 自社の食品が「そのまま送れる」「条件付き」「送れない」のどれに当たるか
- 「条件付き」に当たるかどうかの見分け方
- 規制の確認を、誰がどこまで担うのか。自社だけで進めると止まりやすい場面はどこか
- 送る量と頻度に合わせた発送方法の選び方と、クーリエ各社を比べるときの見方
- 料金が「重さ」ではなく「箱のサイズ」で決まる仕組み
- 関税・de minimis(少額免税制度)の停止後のルールと、EMS利用時の注意点
- FDA施設登録・Prior Notice・英語ラベル・FSVPの要点(コラムで確認)
あなたの食品輸出はどのタイプ?

アメリカへ食品を輸出する際は、大きく分けて
- 「そのまま送れるもの」
- 「条件付きで送れるもの」
- 「送れないもの」
この3つのパターンに分けられます。
まずはご自身の商品がどこに当てはまるか、以下の表で全体像をつかんでみましょう。
| 分類 | 品目の例 | ポイント |
|---|---|---|
| そのまま送れる | 一般加工食品・菓子・飲料(アルコール除く) | FDA管轄。施設登録・英語ラベル・事前通知が基本の手続き |
| 条件付きで送れる | 水産物(二枚貝を除く)、低酸性の缶詰・瓶詰め製品、添加物を含む商品、酒類、肉を含む加工食品 | シーフードHACCP・LACF届出・成分確認・TTBのラベル事前承認(COLAs)・肉の含有率確認などが条件になる |
| 個別確認が必要 | 豚肉・鶏肉、生牡蠣など二枚貝 |
国内にUSDA認定施設がない、または現状輸出が認められていない ※豚肉・鶏肉は品目や認定施設要件により輸出可否が決まるため個別確認が必要 ※生牡蠣など二枚貝の品目や認証制度によって変わります。 |
アメリカ向け食品輸出では、商品の成分や製造工程によって追加の確認や届出が必要になる場合があります。
例えば、
- 水産物
- 缶詰や瓶詰製品
- 添加物や着色料を含む商品
- 酒類
- 肉を含む加工食品
などは、FDA・USDA・TTBなどの規制対象となる可能性があります。
ただし、必要な手続きは商品によって異なるため、「似た商品が輸出できているから自社も同じ」とは限りません。
まずは商品の成分表や商品情報をご用意いただければ、どの制度が必要になりそうか確認させていただきます。
その確認は、お客様・当社・専門機関の3者で次のように分担して進めます。
| 担当 | やること |
|---|---|
| 輸出する会社(お客様) | 商品の成分表・製造工程・原材料の産地を用意する |
| 当社 | 書類の確認、英語の品名の確認、HSコード・HTSコードが分からない場合のサポート、発送方法と受付条件の確認 |
| 専門機関・米国代理人(US Agent)・現地の輸入者 | 成分がアメリカの基準に適合するか、証明書が必要かの最終判断。FDA施設登録では米国内の代理人を立てる必要があります |
成分が基準に適合するかどうかの最終判断は、配送会社が担える範囲ではありません。ただ、「どの制度に触れる可能性があるか」と「どこを確認すれば答えが出るか」までは、商品の情報をいただければ整理してお伝えできます。
つまり、最初にご用意いただくのは商品の情報だけです。
制度を先に勉強しておく必要はありません。
現地規制がどれに該当するかご不明点などにつきましては弊社まで相談ください。
【コラム】施設登録・ラベル・FSVPは何を確認すればいいか
発送のたびに直接関わるわけではないものの、輸出の土台として押さえておきたい制度があります。
FDA施設登録は、工場・倉庫の情報をFDAに届け出る制度で、2年ごとの更新が必要です。
個人消費目的や、最終消費者への直接販売のみの小規模施設は免除されますが、越境ECで商業目的の発送を継続している場合は対象になり得ます。
更新期限を見落とすと輸出が突然止まるため、登録が完了したら次の更新期限を控えておくと安心です。
出荷のたびには、Prior Notice(事前通知)というFDAへの事前届け出も必要になります。
発送方法によって締め切りが異なり、期限を過ぎると税関で止められることがあります。
英語ラベルや、FSVP(外国供給業者検証プログラム)への対応で必要になる食品安全計画書も、日本語の資料をそのまま使うことはできません。
アメリカ向けの形式に合わせて別途用意する必要があり、HACCP認証を持っていても、この英語版は別途作成が必要です。
どの制度がどこまで自社商品に関わるかは、成分・施設・取引先によって変わります。
「うちの場合はどうなるか分からない」という段階でも、商品内容が分かれば確認が必要な箇所を一緒に整理できます。
輸出書類の準備と発送方法・料金・納期の目安
品目の確認ができたら、次は発送の実務です。
ここからが、当社が実際にお手伝いできる本業の部分になります。
輸送用書類と「食品特有の書類」を分けて整理する
食品を輸出する際は、国境を越えて荷物を運ぶための「輸送書類」と、現地のバイヤーや当局が安全性を確認するための「食品関連書類」の2種類を並行して準備します。
| 書類の種類 | 主な記載内容・役割 |
|---|---|
| 商業インボイス・パッキングリスト | 正確な品名・数量・単価・重量・外箱寸法(すべて英語表記) |
| 航空貨物運送状(AWB)または船荷証券(B/L) | 運送会社が発行する貨物の受領証・輸送契約書 |
| FDA事前通知の受付番号(PNC#) | 税関へ提示するための事前通知番号(発送前に取得) |
| FDA施設登録番号・食品安全計画書 | 施設登録済みであることの証明、およびFSVPに対応する英語文書 |
| 成分表・製品規格書 | 現地のバイヤーが受入可否を判断するための技術資料 |
また、商品の国際分類番号である「HSコード」も見落としやすい点です。
日本の輸出用HSコードは9桁ですが、アメリカの輸入用(HTSコード)は10桁で運用されており、桁数や分類が異なります。
「似たような商品と同じ番号でいいだろう」と判断せず、不安な場合は通関業者へ事前に確認するのが確実です。
発送方法は「1回に送る量」と「発送の頻度」で決まる
アメリカへの主な発送手段は3つあります。
選ぶ基準は、1回に送る量と、どのくらいの頻度で送るかです。
| 発送方法 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| 国際クーリエ | 集荷から通関・配達まで一貫対応。通常2〜5営業日で到着 | 越境ECの受注ごとの発送、数箱単位の継続的な出荷、賞味期限が短い商品の小口便、急ぎの追加出荷 |
| 航空フォワーダー | パレット単位・コンテナ単位の重量貨物に対応。クーリエよりリードタイムはやや長くなる傾向 | 1回に送る量がまとまってきた段階、量のある生鮮・冷凍食品 |
| 海上輸送(FCL=コンテナ貸切/LCL=混載) | 日本からアメリカまで約2週間。輸送コストを大幅に抑えられる選択肢 | 常温保存ができる加工食品・缶詰などの大ロット輸送 |
保存期限が短い生鮮・冷凍食品は航空輸送が主流です。
常温保存の加工食品・缶詰などは、大量なら船便がコスト面で有利になりますが、小口で継続的に販売していく段階では、クーリエが標準的な選択肢になります。
1回に送る量がまとまってきたら、航空・海上への切り替えを検討するタイミングです。
ただ、この切り替えの目安は「◯kgを超えたら」と一律には決まりません。
商品の形状や送り先によっては、数百kg規模までクーリエのほうが安く収まることもあり、ルートや時期でも変わります。
当社はクーリエと航空・海上の両方を扱っているため、どちらかに寄せる理由がなく、条件を並べたうえで比較結果をお伝えできます。
軽い食品ほど、箱のサイズで料金が変わる
見落とされやすいのが、料金の決まり方です。
国際輸送の料金は、実際の重さ(実重量)と、箱の大きさから計算した重さ(容積重量)の、重いほうで請求されます。 容積重量は、縦(cm)×横(cm)×高さ(cm)÷5000で計算します。
菓子・乾物・カップ麺・レトルト食品のように、軽いけれど嵩張る商品は、この容積重量で請求されるケースが多くなります。
「実際は5kgなのに、10kg分の料金だった」というズレは、ここから生まれます。
逆にいえば、梱包の仕方で料金は変わります。
箱の寸法と個数をお知らせいただければ、どちらの重量で計算されるかを含めて見積もりをお出しできます。
少額免税ルール(de minimis)の変更とEMSの注意点
de minimis(少額免税制度)は2025年8月29日に停止され、800ドル以下の貨物でも関税・税金・手数料の対象になっています。
100ドル以下の個人的な贈り物など一部の例外はありますが、販売目的の商業品には適用されません。
アメリカ向けEMS(国際郵便)も、個人間(C2C)は100USD未満に制限され、商業目的では原則利用できません。
送料だけでなく、関税・通関費用まで含めた総額で比較するのが安全です。
集荷の翌日に発送する理由
食品の書類は数が多く、記載の不備はそのまま税関での保留につながります。
英語の品名、HSコードとHTSコードの対応、FDA事前通知の受付番号(PNC#)。
どれも送ってから気づくと、取り戻すのに数日かかります。
当社は、集荷したその日に飛ばすのではなく、いったん自社施設へ搬入し、翌日に発送する流れをとっています。
他社より1日遅くなる代わりに、その分料金を抑え、空いた1日で書類の確認や前処理を行っています。急ぎの荷物でなければ、1日置いて書類を確認してから出したほうが、結果的に早く届くことがあります。
発送の手続き自体も、当社が独自開発した「ペガサスクラウド」で完結できます。
送り状とインボイスの作成から、大手クーリエ各社の料金比較、集荷の依頼までオンラインで済みます。
電話での集荷依頼にも対応しており、基本はドア・ツー・ドアの契約なので、持ち込みは必要ありません。
そして量が増えて航空・海上へ切り替える段階でも、窓口は変わりません。
発送量が動く時期ほど、業者を探し直す手間がかからない点が効いてきます。
止まりやすい3つの場面と、そこで当社ができること

FDA施設登録やPrior Noticeの申請、輸出書類の作成そのものは、自社でオンライン手続きができます。
ただ、実際に止まるのは申請の操作ではなく、その前後です。
次の3つは、自社だけで進めようとすると手が止まりやすいところです。
- 英語ラベルの作成:日本の食品表示法とはフォーマットが全く異なり、記載漏れやケアレスミスが起きやすい。出荷前の書類確認の工程で拾える部分です
- 英語の食品安全計画書の作成:専門的な衛生管理知識と英文作成が必要になり、外部へ依頼することが多い領域。どこに何を依頼すればいいかの整理はできます
- 管轄省庁の複雑な境界線:肉エキスを含むスープやレトルトなど、FDAとUSDAのどちらが適用されるかの判断が難しい。商品の内容が分かれば、どちらの窓口を確認すべきかは整理できます
制度の大枠だけを知りたい段階であれば、JETRO(日本貿易振興機構)の「農林水産物・食品輸出相談窓口」でも無料で確認できます。
ただ、実際に送る段になって必要になるのは、書類の中身・HSコードの特定・発送方法の手配です。
ここは制度の相談とは別の相談先が必要になります。
ペガサスグローバルエクスプレスは、食品衛生法など食品以外の法令が関わる輸出通関を得意としており、東京税関より2019年3月28日付でAEO(国が認定した信頼性の高い通関業者)認定を受け、2,000社超の取引実績があります。
クーリエから航空・海上まで扱っているため、品目の確認から発送方法の選定までを1社で通して見られます。
制度が複雑な国ほど、確認の順番を間違えたときの手戻りが大きくなります。
商品名と、1回に送るおおよその量が分かれば、確認が必要な箇所から順に一緒に整理できます。 準備が整ってからでなくて構いません。
まとめ:品目の分類が分かれば、発送方法はシンプルに決まる
アメリカへの食品輸出で最初に確認すべきは、自社の商品が「そのまま送れる」「条件付きで送れる」「送れない」のどれに当たるかです。
- そのまま送れる: 一般加工食品・乳製品(FDA管轄が基本)
- 条件付きで送れる: 水産物・低酸性の缶詰・添加物を含む商品・酒類・肉を含む加工食品。該当するかは成分と製造工程で決まる
- 送れない: 豚肉・鶏肉(USDA認定施設なし)、生カキなど二枚貝
- 確認の分担: 商品の情報があれば、触れる可能性のある制度と、確認すべき箇所までは整理できる
- 発送方法: 小口の継続発送はクーリエ、量がまとまってきたら航空・海上へ。切り替えは同じ窓口でできる
- 料金: 実際の重さと、箱のサイズから計算した重さの、重いほうで決まる
- 関税: 2025年8月のde minimis停止後は、少額でも関税・手数料の対象になる
「条件付き」の判断・英語ラベルの要件・食品安全計画書の英語版作成は、自社だけで進めると手が止まりやすい3点です。
制度が複雑な分、確認の順番を間違えたときの手戻りが大きくなります。
数箱単位の継続発送から、量がまとまってきた後の大口貨物まで、当社なら品目の確認から書類・輸出通関・発送方法の比較までを1窓口で通して相談できます。
アメリカへの食品輸出で迷ったら、商品名と1回に送るおおよその量だけ教えてください。「何から相談すればいいかわからない」という段階でも対応しています。